交通事故治療について①
「大きなケガはないから大丈夫」「時間が経てば治るだろう」——
交通事故のあと、こうした考えで受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし、交通事故によって引き起こされる「むちうち(頚椎捻挫)」は、事故直後には症状が軽くても、数日から数週間後に痛みや不調が強く現れることがあるため、注意が必要です。
私は整形外科医として、これまで多くの交通事故によるむちうち症状の患者さんを診てきました。その経験からはっきり言えることがあります。
むちうちこそ、整形外科での専門的な診断と早期治療が不可欠です。
むちうちとは、追突などの事故によって首が鞭のようにしなり、首の筋肉や靭帯、神経がダメージを受けることで起こる状態です。正式には「頚椎捻挫」「外傷性頚部症候群」とも呼ばれます。
代表的な症状としては以下のようなものがあります:
首の痛み・可動域の制限
頭痛・吐き気・めまい
肩こり・背中の張り
手のしびれや感覚異常
倦怠感や集中力の低下
これらの症状は、事故から時間が経ってから出てくることが多く、「ただの疲れ」と思って放置すると、長期的な後遺症につながる可能性があります。
整形外科では、骨や筋肉、神経の専門的な知識と技術をもって、むちうち症状に対する正確な診断と適切な治療を行うことができます。
レントゲンや超音波(エコー)を用いた精密検査により、骨折や靭帯損傷などの見逃しを防ぎます。必要に応じてMRIなどの精密検査も手配可能です。
むちうちの回復には、運動療法や手技療法、電気治療などの理学療法が非常に有効です。当院では、理学療法士が患者様の症状に応じて個別プログラムを作成し、回復を丁寧にサポートします。
交通事故による通院治療は、自賠責保険が適用されるため、被害に遭われた方は原則として患者様の自己負担はありません。また、保険会社とのやり取りが不安な方には、必要な書類作成や対応のサポートもいたします。
整形外科である当院では、交通事故後の「身体の不調はあるが、どこに相談すればいいのか分からない」という患者様の声を多く受けてきました。そのような方に、安心して来院いただける体制を整えています。
予約不要・当日受付可能
症状がある限り、治療継続可能な範囲でサポート(交通事故治療には症状固定という概念があり、症状が続く限りずっと治療を続けられるわけではありません。社会通念上ある一定の期限内での治療が可能となります)
保険会社との対応や診断書の作成も迅速対応
地域密着のかかりつけ医として継続フォロー
事故後の不安な時期に、安心できる「受け皿」としての医療機関の存在が患者様にとって大きな支えになります。
軽い首の違和感、少しの頭痛。事故直後は気にならなかったこうした症状が、数ヶ月・数年経っても改善せず、生活に支障をきたすことがあります。
そうならないために、そして「あのとききちんと治しておけば…」と後悔しないために、早期の受診・早期の治療が重要です。
むちうちは外から見えない傷です。だからこそ、放置されがちで、そして長引きやすいのです。
私たち整形外科の役割は、その見えない痛みや不調に耳を傾け、確かな医学的根拠に基づいて改善を導くことだと考えています。
もしあなたやご家族が交通事故に遭い、少しでも身体に違和感を感じたら、どうか早めにご相談ください。
整形外科は、交通事故後のむちうち治療における「専門家」です。
あなたの回復を、全力でサポートします。